
2)一次相関による予測値の検証
図5−5−1〜5−5−10に、波高、周期、風速について予測値と実測値の一次相関分布図を示す。(波高、周期については期間1と期間2※※で分けて示している。)また、表5−5−6には各ケースの二乗平均誤差率(RMSE)、平均誤差率(BIAS)、相関係数、一次相関式の傾きを一覧表としてまとめた。
これらの図表をみると、波高については1日目の相関が良く、期間1で0.79となっており、2日〜4日目までの相関も比較的良く0.7前後の値となっている。しかし期間2となると1日めは0.79と良いが、2日め以降相関が若干0.49〜O.59となっている。これは、期間2の統計期間が非常に短く、また期間内の波高の変動幅も比較的狭かったため、相関係数が小さくなったものと考えられる。
周期については、1日めの相関係数が0.8弱と高いが、2〜4日目は相関係数が0.5前後と悪くなっている。
また風速については全般に相関が悪く、1日め予測でも相関係数が0.54と低く、予測日が先になればなる程さらに一次相関が悪くなる。
※※期間1と期間2の相違
当初期間1について、波浪ポイント予測値を計算し、実況値と比較検証したところ、図5−5−1〜5−5−2および5−5−5〜5−5−6からわかるように波高および周期の予測値が実況値に比較して低めの値となっていることがわかった。
そこで、予測波高及び周期の偏りを修正するために、波高または周期階級毎および予測日毎に実測値との一次相関を求め、その一次係数を用いて修正を行ったものが期間2である。
3)経時変化図による比較検証
ポイント予測値と風、波浪の実況値を経時変化図の上で比較したものが図5−5−11〜5−5−26である。図で示したものは台風期の平成8年9月(期間1)と冬季季節風の卓越する平成9年2月(期間2)である。また図は1日先〜8日先の予測日別に作成した。
これらの図から以下のことがわかる。
(a)予測日が現在に近い程予測精度がよい。また4日より先で予測精度が落ちる。
(b)波高の予測精度は比較的よいが、周期、風速の予測精度は全般に悪い。
(c)期間1の予測精度が特に周期が悪いが、期間2ではかなり改善されている。
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